[J1]第2節 FC東京 vs セレッソ大阪

2021 J1リーグ 第2節

FC東京 1 – 0 セレッソ大阪

Stadium:味の素スタジアム

得点
14分:大久保嘉人(大阪)
54分:田川享介(東京)
58分:原川力(大阪)
71分:レアンドロ(東京)
93分:森重真人(東京)

FC東京
FW レアンドロ(94’渡邊凌磨)、オリヴェイラ(72’永井謙佑)、田川享介(69’アダイウトン)
MF  安部柊斗、東慶悟(72’三田啓貴)、シルバ(46’オマリ)
DF 小川諒也、森重真人、渡辺剛、中村帆高
GK  波多野豪
sub:児玉剛、蓮川壮大

セレッソ大阪
FW 大久保嘉人(59’松田力)、豊川雄太(77’高木俊幸)
MF 清武弘嗣、奥埜博亮、原川力、坂元達裕
DF 丸橋祐介、瀬古歩夢(59’進藤亮佑)、西尾隆矢、松田陸
GK キムジンヒョン
sub:松井謙弥、小池裕太、藤田直之、加藤隆次樹

大興奮の逆転劇をありがとう

見事な立て直しだ

 「優勝を目指す」その言葉とは裏腹に浦和との開幕戦は難しいものだった。追い付きこそすれそれが精一杯という感じで、あまり良いところもなし。今節のメンバー変更はカップ戦で点を取った田川が右ウイングに入ったことだけだ。

 攻撃的なサッカーを目指すと監督交代に積極補強に踏み切ったセレッソに攻め立てられる前半、今や38歳になった大久保嘉人が巧みな動き出して帆高と剛を欺いてゴールを決めた。東京を出てからはフロンターレ、ジュビロ、ヴェルディと渡り歩き、ここにきて得点を量産している。おそるべし。

 前半の東京が良くなかった大きな要因は中盤の構成だと思われる。何故か東がアンカーの位置にいて、インサイドハーフに安部とシルバだった。推察するに10年くらい前のACミランがやりたかったのではないかと思う。ピルロが中盤の底にいて、走って戦えるアンブロジーニとガットゥーゾを脇に置いていたあの時の。

 だから東の役割は相手の攻撃を食い止めるアンカーではなくて、攻撃の起点として配給を行うレジスタだったのではないかと思う。出ないとこの配置転換の説明がつかない。ただ、特にこれが機能していた場面はなかった。東のパスは近場への無難な散らしばかりで、インサイドハーフに入ったシルバは攻撃のサポートが上手くない。故に中盤の制御が効かなくなっていた。

 後半の頭から森重をアンカーに置いたことで、劇的な変化がもたらされた。たった一人の存在がチームを、試合を変えた。それほどにアンカー森重は効果的だった。

 守備では適切なポジショニングでクリーンないつもの守備を見せ、攻撃に移れば冷静なボールコントロールで緩急の緩を付けられる選手となった。森重がチームの攻撃スピードを巧みに切り替え、配給も適切。その名の通りボランチ、「舵取り」と呼ぶのにふさわしい。

 先行逃げ切り型のこれまでの東京にとって、先制されることは致命的だった。にも関わらず、立て直して攻め込めたというのは大きな収穫だと思う。とはいえ今日のゴールも相手のミス1つにフリーキック2つだ。流れからは点を取れていない。そこは考えないといけないところだ。

 諦めずに2度追いしていた田川の気迫にはグッときたし、2点目のフリーキックも安倍が走り続けた結果獲得したものだ。こうした姿勢はチームにいい影響しかない。とても収穫の多い試合だったよ。

 立ち上がりが悪くて先行される部分には改善の余地ありだが、どちらも追いつくことは出来ている。特に2度リードされて逆転した今日の試合の持つ意味は大きい。いい面も悪い面も置いておいて、最高に面白い試合だった。

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