[J1]第8節 FC東京 vs 北海道コンサドーレ札幌

2021 J1リーグ 第8節

FC東京 2 – 1 北海道コンサドーレ札幌

Stadium:味の素スタジアム

得点
61分:ディエゴ・オリヴェイラ(東京)
69分:ディエゴ・オリヴェイラ(東京)
83分:アンデルソン・ロペス(札幌)

FC東京
FW アダイウトン(84’内田宅哉)、オリヴェイラ、田川亨介(46’永井謙佑)
MF 安部柊斗(80’青木拓矢)、森重真人、三田啓貴(65’東慶悟)
DF 小川諒也、岡崎慎(80’蓮川壮大)、渡辺剛、中村拓海
GK 児玉剛
sub:波多野豪、レアンドロ

北海道コンサドーレ札幌
FW チャナティップ(68’高嶺朋樹)、ロペス、小柏剛(39’菅大輝)
MF フェルナンデス(68’青木亮太)、宮澤裕樹(89’柳貴博)、駒井善成(89’小野伸二)、金子拓郎
DF 福森晃斗、ミンテ、田中駿汰
GK 菅野孝憲
sub:大谷幸輝、大村大八

主役は・・・

 週末に川崎戦を控えながら、メンバーはほとんど変えないで臨む。まあ疲労を考慮したところで川崎といい試合ができるのかさえ怪しいので、目の前の勝ち点を拾っていくスタンスは間違っていないと思いますよ。

 まずボールを握るのは札幌。攻撃的なスタイルを標榜しているチームで狙いは明確かつ徹底している。意識的にサイドチェンジを多用しながら揺さぶっていき、中央に隙を作ってそこを狙う。右に左にテンポよく振られるので東京はプレスが間に合わず、ずるずると下がってしまった。ただ札幌の方もやりたいサッカーに技術が必ずしも追いついていないのでサイドチェンジのロングキックに失敗する場面も多く見られた。

 この試合のMVPは強烈な単騎突破でキム・ミンテを一発退場に追い込み、自ら2ゴールを奪ったディエゴ・オリヴェイラで間違いない。しかし残念なことに試合の主役はと言えばディエゴではない。ここに触れるのはあまり好きではないのだが、主役は主審だった。

 レッドカード2枚以外にも色々とおかしい。立ち上がりにキム・ミンテがディエゴを足裏で削ったところは試合開始直後であったとしてもイエローカードが妥当なシーンだったと思うし、試合を通じてファールの基準がわかっていない。

 確かに近年のJリーグの傾向として、選手が倒れたからといって簡単に笛を吹くのはやめようと言う風潮がある。それは良いことだと思うが、かといって露骨に体をぶつけにいったり、足を引っかければそれはファールだ。あくまでも正当なチャージで相手が倒れた時は力の強い方を罰するべきではないと言うだけのはず。それなのにこの試合では接触プレーはほとんどファールにならない。プレー強度を上げると言うのは汚いプレーを許容すると言う意味ではないはずだろう。

 そして問題のレッドカードの場面だけど、両方とも退場は厳しすぎると思う。どちらも抜け出せばキーパーと1対1だけど、明らかな決定機阻止というには距離があったし、悪質に止めに行ったわけでもない。剛が退場ならミンテも退場という一貫性があったことだけは救いか。

 個人的にはPKになった田中のファールの方が退場に値したと思っている。PKになるファールの時は決定機阻止でもイエローというルール改正はあったけど、それはあくまでも通常のプレーの範囲内での上のファールやハンドの場合であって、あのスライディングはボールにチャレンジするというには無理がある距離だった。ディエゴの倒れ方が芝居がかっていたのは確かだけど。

 30分に退場者を出したにも関わらず、東京はとても良いプレーをしていた。むしろ1人減ってからの方がやることが明確になった分なぜかよくなった。アダイウトンをウイングバックに置く5-3-1の変更をしてからは札幌のサイドチェンジを抑えられていた。アダイウトンがあそこまで守備が出来るとは知らなかった。普段からやってくれよ。

 9人で守って攻撃はディエゴにお任せになったものの、ディエゴは目下絶好調。たった一人で前を向いても並みのDFには止められない。ディエゴが2、3人に囲まれても何とかしてしまうので、1人少ないハンデは最小限だった。さらには相手を退場に追い込んだのも2点ともファールをもらったのもディエゴ。まさに化け物。これを現代フットボールと呼んで良いのだろうか。

 選手たちの戦う姿勢に、気がつくと身を乗り出して画面に食いつくように試合を見ていた。不利な状況に置かれても勝つためのプレーを続ける勇気には胸が熱くなる。さすがに60分も10人で戦っていたので終盤はガス欠になり前に出られなくなったが、それでも失点を最小限に抑え、見事な勝利だった。

 次は優勝を狙うクラブなら、必ず越えないといけない大きな壁に向かうことになる。名古屋戦も今日の試合も素晴らしい試合内容で戦えている。メンタル面ではこの上ない状況で戦えるはずだ。帆高や剛の不在は苦しいが、今できる最高の試合は期待できそうだ。

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