[J1]第20節 FC東京 vs 大分トリニータ

2021 J1リーグ 第20節

FC東京 3 – 0 大分トリニータ

Stadium:味の素スタジアム

得点
24分:レアンドロ(東京)
45分:ディエゴ・オリヴェイラ(東京)
47分:小川諒也(東京)

FC東京
FW オリベイラ(70’田川亨介)
MF アダイウトン(78’永井謙佑)、安部柊斗(70’青木拓矢)、レアンドロ、品田愛斗、東慶悟(78’三田啓貴)
DF バングーナガンデ佳史扶、森重真人、渡辺剛、小川諒也
GK 波多野豪
sub:野澤大志ブランドン、岡崎慎、中村拓海

大分トリニータ
FW 小林成豪(70’上夷克典)、長沢駿、町田也真人(46’井上健太)
MF 香川勇気、長谷川雄志、ペレイラ(61’藤本一輝)、小出悠太(61’渡邉新太)
DF 三竿雄斗、トレヴィザン、刀根亮輔(70’福森健太)
GK ウィリアム
sub:高木駿、羽田健人

調子が良いのが見て取れる

 今年も東京オリンピックの煽りを受けて、夏場はアウェーゲームが続くことになる。ホーム味の素スタジアムはしばらく貸し出すため、今日は置き土産を残したい。

 今週だけでぐいぐい評価を高めたカシーフを起用すべく、小川がスタートから右サイドバックに入った。それと安定してきた安部、青木のボランチコンビの交代役は高萩ではなく品田がシーズン初スタメンだ。

 この3連戦はなんだか似たような相手が多い。下位に沈んでいるチームでボールを握りたがる。そこに東京は高い位置から上手にプレスをかけてショートカウンターを狙う。完成度の高くないポゼッション型のチームは東京に取ってはいいカモだ。ただそのプレスを取ってみても東京が好調のサイクルに入ったことがわかる出来だった。

 悪い時はハイプレスという言葉だけが先行し、前線の選手ががむしゃらに追いかけるだけの雑なプレスになるのだが、今日はまずは相手の出方を見て、ゆっくりと追い詰めていき、ハマるとみるや一気に人数をかけていけた。このやや大人な守備のスタイルはこれから暑さを増していくJリーグを戦うためには有効だと思われる。奪える気がしないのに追わされるとFWは想像以上に消耗するから。

 ブラジル人を並べる前4枚の最後の1ピースは東慶悟。無難なプレーは出来るもののイマイチ物足りなかった今季の東に取って、この試合はベストゲームだったのでは。右サイドで守備の時も高い位置で効果的にプレスをかけたり、相手の退場を誘発したり、あげく見事なクロスでアシストまで記録した。東が得点に絡むなんていつぶりだろう。本来はそういう選手なはずなんだけども。

 ようやくコンディションを上げてきたレアンドロがトップ下に入ることで、勢い任せだった攻撃の最後の局面に変化が生まれる。こうした創造性のあるプレーはとても貴重だ。先発に抜擢された品田も面白い存在で、ゲームメイカータイプのボランチとしてよくボールに触ってはときおり綺麗なサイドチェンジを繰り出していた。これは安部や青木にはないものでオプションとしてこれからも期待できる。このレベルで品田とレアンドロがプレー出来てしまうといよいよ高萩は世代交代となりそうだ。

 あとはカシーフ、今日も良かった。フル出場でも最後までスプリント出来ることを見せつけてくれたし、攻守に効いていた。まだ先発は2試合だから継続できるかには注目だが、これが続けばスタメンがどうとかよりも、海外からの引き抜きが心配されるレベルにあると思う。

 右に回った小川ももちろんやりにくい部分はあると思うが、そもそも縦にどんどんいくタイプではないのでそこまで良さが消えているわけでもない。むしろインナーラップは楽しそうだったし、カットインするようなドリブルもいいアクセントになっている。しばらくは右に小川、左にカシーフで安泰だろう。

 連勝もクリーンシートもポジティブな要素だけど、それ以上に試合中のチームの落ち着きが収穫だと思う。ある程度押し込まれる時間があっても、カウンターに頼りすぎず、試合のリズムを落とすプレーを選択する余裕が出てきた。やっと調子が上がってきたことを実感できるそんな連戦の締めくくりだった。

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