室屋成、ハノーファーへの移籍が決定

2020年8月14日、FC東京は室屋成のハノーファーへの移籍を発表いたしました。

手放しには喜べない

 わかっていた。室屋が海外移籍に値する選手であるということは。でもあまりにも急だったから、心の準備が出来ていない。チームとしてもこれは痛い・・・

 2017年に徳永からポジションを奪うと、圧巻の運動量で右サイドを制圧する選手になった。日本代表にも選ばれていることから、Jリーグの右サイドバックとしては1番の選手だと思う。

 代表に行くようになってから、全体的にレベルアップしている。寄せのスピードだけでなく、ちゃんと奪いに行ける距離感まで詰められるし、球際は強くなった。攻撃面もこれまではとにかく走ってクロスを狙う選手だったのに、果敢に仕掛けるようになったし、切れ込んでシュートも狙う。クロスの質だって上がってきた。世界で戦うためには、数字を残さないといけないということが、DFながらわかっている。

 何より夏場の試合でも最後までスプリントできるスタミナは室屋の大きな魅力だ。フィジカル的には十分に海外でやれるレベルに達していた。もちろん外国の選手とやるにはタイミングだったり、間合いだったりで多少慣れが必要だけど、きっと室屋なら乗り越えると思う。ハノーファーには原口もいるから、力になってくれるはず。

 室屋のことを考えれば、26歳ということもあるし、初挑戦にドイツ2部。先人たちの足跡を見ても悪くはない選択だ。プレシーズンから合流できるし、本気で1部昇格を目指すクラブだから、攻撃面の良さも存分に生かせる。

 今の東京の中でも室屋は特に好きな選手だけど、結局僕らは個人ではなくクラブのファンなので、主力中の主力の選手がシーズン途中に出ていくのをなかなか喜べないでいる。今年は拳人も移籍してしまい、まだその穴も埋まっていないというのに。

 オジェソクが残らなかったことで、計算の立つサイドバックが室屋と諒也だけだった。そこに大卒1年目の帆高が思いのほか食い込んできたことで、ローテーションは出来ているけど、諒也はともかく室屋とはまだまだ差がある。そして現状、次に控えるのはもう10代の選手だけだ。

 拳人の移籍の分もそうだし、抜けた分は補強した方がいいでしょ。と、思ったら、噂レベルでは室屋は移籍金ゼロだとか・・・え、そうなの、Jリーグって。

 どんな契約をしていたのか、どんな交渉があったのかはさっぱりわからないけど、優勝を狙うと言っているチームの主力かつ、日本代表の26歳を放出するのにフリーなんてありえない。それじゃ満足に補強なんて出来ない。うちは海外クラブの下部組織なんですか。ねえ。

 移籍金ってさ、名前ではオブラートに包まれているけど、要するに契約違約金だからな。シーズン中に選手を引き抜こうっていうならお金を払ってもらうのは当然だよ。そうじゃなきゃ一生Jリーグのクラブは海外に舐められたままだぞ。

 長谷川監督からしても、急に降ってきた話題らしく、さてこれからどうするのか。全然勝てなくなってしまい、ちょっと良くなってきたところにまたネガティブな話がきた。文句を言っても何しても、室屋とは明日の試合でお別れです。

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