[J1]第15節 FC東京 vs ガンバ大阪

2021 J1リーグ 第21節

FC東京 1 – 0 ガンバ大阪

Stadium:味の素スタジアム

得点
 1分:ディエゴ・オリヴェイラ(東京)

FC東京
FW アダイウトン(80’永井謙佑)、オリヴェイラ(90’品田愛斗)、田川亨介(75’三田啓貴)
MF 安部柊斗、高萩洋次郎(80’東慶悟)、青木拓矢
DF 小川諒也、森重真人、渡辺剛、内田宅哉
GK 波多野豪
sub:児玉剛、オマリ、中村拓海

ガンバ大阪
FW 宇佐美貴史(82’パトリック)、ペレイラ(60’一美和成)
MF 倉田秋(71’シウバ)、井手口陽介(82’チュセジョン)、矢島慎也、塚本大(69’小野瀬康介)
DF 黒川圭介、菅沼駿哉、昌子源、三浦弦太
GK 東口順昭
sub:石川慧、奥野耕平

ガンバの状態が悪すぎる

 連敗こそ脱したものの、まだ調子が上がったと判断するには早い。選手の質は低くないのだから、6試合もやればそりゃいい試合ができるときはくる。これを継続できるかどうか。ある程度よくない試合でも一定の戦いはできるかどうか。

 メンバーは内容も良かった前節と同じ。高萩システムによるラッキーパンチが2試合継続できるのかと期待と不安を抱いて見てみれば、1分も経たないうちに電光石火の先制を叩き込んだ。前のめりの勢いが功を奏した形だが、サイドバックの内田の上がりを使う高萩のスルーパスで崩し、それでいて中でディエゴが待っている形はこのシステムの良さが出た部分だ。

 あのゴールでガンバは動揺した。のか、最近はこんな感じなのかわからないが、序盤の東京のテンションにガンバは完全に飲まれていた。後ろでパスを回していてもパスがずれまくりで東京はいとも簡単にボールを奪ってはカウンターを発動していた。

 時間が経つにつれてガンバに押し込まれる時間が長くなったが、今季わずかに3点しか取れていないぶっちぎりワーストの攻撃力を有するガンバの攻撃はずっとチグハグだった。中央に人が集まりすぎてサイド攻撃が薄かったし、そう思えば単調にクロスを放ったりとあんなに代表クラスの選手ばっかりなのに、選手たちを生かせていなかった。そういや宇佐美っていつから代表候補に名前すら上がらなくなったんだろうか。

 今日気になった選手が二人。まずは先制をアシストした内田宅哉。去年はそれなりに出場機会をもらっていたものの、目立ったプレーはできず、このサイトでも酷評を続けていた。そんな内田がついに輝ける場所を見つけたようだ。

 帆高の離脱と拓海のスランプを受けて右サイドバックに起用されると、安定したパフォーマンスを見せてくれている。突出した武器がないだけに中盤の便利屋になりかけていたが、サイドバックではむしろ色が出ている。

 元々ボールコントロールは上手なので持たせても不安にならないし、高い位置を取れば本来のドリブラーの強みが出せる。守備は本職じゃないために立ち位置を迷う時はあるけれど、中盤をやっていた時よりも対人の守備もできるようになった。今日も何度も1対1を制していた。

 守備より攻撃型なのは拓海と似ていて、攻撃の貢献スタイルは内田はドリブル、拓海はパスにある。ただ、本職の拓海より今は内田の方が守備が良い。

 あとは田川にも言いたいことがある。代表が発表され小川と田川は、いつもそうであって欲しいものだが、気合が入っているように見えた。左利きの左サイドバックが枯渇しているフル代表の小川に比べて、オリンピックを目指す田川の方が難しい立場にある。この世代の中心だった、鹿島の上田とマリノスの前田がいて、鳥栖の林は前の試合で点をとっている。おそらく田川の序列が一番低い。

 なら田川がやることは1つ。文句を言えないくらい点を取ることだ。だが今日も決められなかった。少なくとも決定的なチャンスはあったのに。解説の人にも言われていたけど、田川はドリブルを仕掛けない。1対1なら勝負してやるという気概がないと海外の選手には通用しない。パスも平凡でドリブルもしないというのなら、シュートチャンスは必ず決めるフィニッシャーでないといけないのだが、今のところはそうなれてもいない。武器とされるスピードも永井くらい突出していないとそれだけでは戦えない。田川にはもっと貪欲になってほしい。ややエゴイスティックに数字を追い求めてほしい。代表のためにもクラブのためにも。

 ちょっと試合から離れすぎたけど、今日の試合に関して言えば東京の立ち上がりが完璧で、その後はガンバが悪すぎたという試合だった。それでも東京は2試合同じシステムで結果を出して、自信を深められる大切な時間になった。まだボトムハーフなのだから、今度は連勝街道に乗っていきたい。

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