[J1]第17節 FC東京 vs サンフレッチェ広島

2021 J1リーグ 第17節

FC東京 0 – 0 サンフレッチェ広島

Stadium:味の素スタジアム

得点
なし

FC東京
FW 永井謙佑(72’アダイウトン)、オリヴェイラ(72’三田啓貴)、田川亨介
MF 安部柊斗、高萩洋次郎(60’東慶悟)、青木拓矢(91’品田愛斗)
DF 小川諒也、森重真人、渡辺剛、中村拓海
GK 波多野豪
sub:児玉剛、ウビィニ、佳史扶

サンフレッチェ広島
FW 森島司、サントス(79’鮎川峻)、浅野雄也(72’エゼキエウ)
MF 柏好文(72’東俊希)、青山敏弘(72’ハイネル)、川辺駿、藤井智也(83’井林章)
DF 佐々木翔、荒木隼人、野上結貴
GK 大迫敬介
sub:林卓人、茶島雄介

深刻な得点力不足

 なんか不思議な気分でした。試合後の長谷川監督のインタビューで「最後までどちらが勝つかわからない展開だった。こういう試合をしないといけない。これまでは大味な試合が多かった」とやや満足そうな表情をしていたのは何故なんだろうか。

 柏に快勝したせいで少しマシに見えているけど、それ以前に複数得点を記録した試合は4月11日のフロンターレ戦だった。そこから公式戦12試合で総得点は9点、柏戦を除けば11試合で5点しか取れていない現状がわかっているのだろうか。今日もまた永遠に点を取れなそうな試合だったというのに。

 永井がバーに当てているのでちょっと言い方としては大袈裟かもしれないけど、それにしても攻撃が出来ていない。ボールを握っているだけで決定的なシーンは永井のシュートだけだった。

 キックオフからは広島のペースが続く。サイドを広く使う相手のウイングバックを捕まえきれず起点を作られると、どんどん深い位置を取られ、クロスもたくさん飛んできた。幸いなことに広島はクロスに強そうなのは中央のジュニオール・サントスくらいなもので、そのサントスはあまり運動量のないタイプだったので、ピンポイントのクロスが来ない限りは怖くない。最後のフィッシュが外国人任せなところは東京に似ている。

 後半のスタートはギアを上げた東京がいいリズムを掴むも、得点チャンスはやってこない。今日は少しディエゴが不調で、いつもよりボールが収まらない。パスミスも多い。そうなると東京の攻撃力は7割減になるらしい。高萩も高い位置で触れずに下がってしまい、田川はいい抜け出しをするもボールコントロールが下手すぎる。

 そう、田川だ。今シーズンは常にスタメンを張り、期待だけはされているものの得点数は伸びてこない。田川を語るときに言われるのがスピードとパンチのあるシュート。いずれも間違ってはいない。というよりもそれが全てなんじゃないだろうか。

 パスは無難なものだけ。ドリブルは滅多に仕掛けない。日本人にしては体は大きいのにボールキープも得意じゃない典型的なフィニッシャー型の選手だ。スピードも主にはGKにプレスに行くときにばっかり使われている。裏に抜ける動きを最近はするようになってきたのに、致命的にトラップが出来ない。今日だけで何本潰したことか。

 スケールは大きく見えるから、使いたくなるのはわかる。でも今のままでは点は取れない。今のスタイルのまま行くのなら、ファーストタッチの質を劇的にあげるしかない。そうでなければ、もっと自分で仕掛ける強引な選手になるべきだ。まあいずれにせよ技術は磨くべきだけど。オリンピックの候補に選ばれちゃいるけど、本大会のメンバーに選ばれる可能性は東京が今年3位以内に入るくらいの確率しかないと思ってる。「この悔しさを糧に成長します」というコメントが遠からず出ます。

 ちょっと田川のせいで点が取れないみたいな論調になっちゃったけどそんなつもりはないです。もっと攻撃の形のあるチームなら田川だってあと5点は重ねてるよ。

 広島を見てて思ったんだけど、東京って攻撃のときに後ろから選手が追い越してきて厚みを生むことって全然ないですよね。なんかいつも少ない人数で攻めてる。だから結局はディエゴかアダイウトンが無理矢理打開するしかなくて、それが何度かうまく行くから、それが戦術みたいになっちゃってる。

 視界にディエゴが入ったらどんな時でもパスを出すから、ディエゴの負担は増えるばっかりだし、みんなそれでいいと思っているから自分がなんとかするという発想にならない。それを指摘できる人が出てこない限り、チームは変わらないんだろうなあ。

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